医師が勧める健康な身体創り

医学理論に基づく正しいダイエット法の紹介

2019-01-01から1年間の記事一覧

【タンパク質のお話の追加】タンパク質のお話は概ね終わりましたが、追加のお話をします。タンパク質代謝に関連するいくつかのキーワードを上げておきます。それは1.窒素平衡 2.アミノ酸プール 3.タンパク質利用率 4.窒素カロリー比です。2から4は以前に概ね…

(タンパク質のまとめ) 1.タンパク質は体を構成し、いろんな機能を 果たす基本構成物質である (体重の1/5) 2.タンパク質はアミノ酸から構成されてお り、体内のアミノ酸プールを主な原料とし て、その一部を新しく摂取したタンパク質 から分解して合成さ…

(ダイエット講座その1.タンパク質について考える) 本日のテーマ 窒素の動きに着目する✨ 前から私達の身体の中で、タンパク質という物質が中心となって働いている話をしましたが、それらはアミノ酸という基本単位から成り立っていて、その基本構造であるアミ…

講義 1 タンパク質について タンパク質についてかなり述べてきましたが、ここで少し今までのまとめをしておきたいと思います。 1)タンパク質は身体を構築する基本物質であり、それ自体が体の中で多種多様な機能を果たす重要な物質である。 2)タンパク質はア…

coffee break 食事と精神状態について 🍎 皆さんは肝性脳症という病態をご存じですか?肝臓はいろんな栄養や物資の解毒や代謝を司る大事な臓器なので、それが弱って十分な働きができなくなると、身体に様々な支障をきたしますその一つに肝性脳症があります。肝…

その1 タンパク質について ここで少し話が難しくなりますが、臨床栄養学的なお話をしますので頑張ってついてきてください。摂食したタンパク質は消化管でアミノ酸に分解され腸管から吸収され肝臓で代謝されます(前述しましたが、合成の元となるアミノ酸の2/…

coffee break タンパク質の取り方について 前述しましたが成人のタンパク質摂取量は一日、50〜100gです。しかし意外に私達は良質なタンパク質を取れていません。ちなみに鳥の胸肉なら30%がタンパク質ですから、それから計算して200g〜400gの摂食が必要となり…

タンパク質のお話 その2 タンパク質の代謝1

以前からお話しているように自分達の身体はタンパク質で形作られ、またそのタンパク質は私達の身体の中で様々な機能を果たしています。私達は日々、タンパク質を体内に取り入れ、また不要なタンパク質は分解代謝され、そしてまた新しくタンパク質が合成され…

coffee break 症例提示 以前私が働いていた病院の透析室でタンパク質摂取に関して検討を要するケースがありました。70代の男性で排尿障害から腎後性腎不全になり、バルーンカテーテルを挿入し、尿が出始めたのですがデータが不良Bun(尿素窒素)やクレアチニ…

タンパク質のお話 その4 タンパク質の素 アミノ酸

タンパク質はアミノ酸から生合成されます。アミノ酸はアミノ基を持つ12種類の有機物質で、人体の中で合成不可な必須アミノ酸と非必須アミノ酸に分類されます。実はいろんな栄養素(コレステロールなど)と同じように私達の身体は、体内にあるアミノ酸を再利用…

タンパク質のお話 その3 タンパク質のインアウトバランス

前回お話ししましたが自分たちの体の中には多種多様なタンパク質がたくさんあって、いろんな機能を果たしながら、分解され、代謝を受け、また新しく合成され常に入れ替わっています。今回はそのインアウトの概要についてご紹介しましょう。 私たちの身体の15…

これからの講義の予定についてお知らせします。まず総論として基礎栄養学(栄養の知識や栄養素の体内動態)をわかりやすく紹介します。次に実践編として、栄養を軸においた食事の取り方について役に立つ実践的な講義をしていきます。そして、今はまだ検討中…

タンパク質のお話 その1 introduction

皆さんはタンパク質についてどれくらい知っていますか?また普段の食事ではどれくらいタンパク質を意識していますか? タンパク質は私達の身体の15〜20%を占める水分の次に多い構成成分です。タンパク質は私達の身体の形状を形作る基本的な構成成分としてで…

タンパク質のお話 その2

【 タンパク質の凄さ 】私達の身体の20%はタンパク質からできています(身体の最大の構成成分です) 私達の身体の中でタンパク質はその元となっているだけではなく、それ自体様々な多様な機能を果たしています。それが故に、健康的で、ハイパフォーマンスな活…

これからの講義内容紹介 まず基礎栄養学のお話をします。ここでは、最初に栄養素についての基礎知識をお伝えします。第一回 タンパク質について 第二回 脂質について 第三回 糖質について 第四回 水とミネラルについて 第五回 ビタミンについて これだけでも…

これからの講義の予定についてお知らせします。まず総論として基礎栄養学(栄養の知識や栄養素の体内動態)をわかりやすく紹介します。次に実践編として、栄養を軸においた食事の取り方について役に立つ実践的な講義をしていきます。そして、今はまだ検討中…

今日のお弁当 4月1日

雑穀米、ホーレンそうの炒めもの 、

今日のお弁当 2019.4.9

母が作ってくれたふきのとうです。身体に良さそう!

その59 TNT講習について

今から10年程前に、赴任先の広島で、日本静脈経腸栄養学会主催のTNT講習を受けました。 確か3日ほどの短いプログラムでしたが、いろんな診療科のドクターが集まり、テキストに沿って基礎栄養学から臨床における栄養サポートのセミナーを受けました。テキスト…

その58 糖質は私達の主たるエネルギー源

今まで糖質について何回かお話をしてきましたが、糖質は私達の生命活動の主たるエネルギー源です。私達の身体の中において脂質やタンパク質はエネルギーの貯蔵体であったり、身体を作る構造体という役割がありますが糖質はそれ自体が私達の身体を動かすエネ…

その57 調子がよかった食べ物 ①

ダイエットを始めてから、食べ物によって体調が変わること(具体的に言うと食べた後、少し気持ち悪くなったり、だるくなったり、眠くなったりするような感じ)を敏感(やや過敏)に感じるようになりました。これから時々、これから私が実際に食べてみて、調子が…

その56 私達が元気に活動していくためには?

私達が元気に活動するためにはどうしたらいいのでしょうか?そのカギがズバリATPにあると考えています。 前から書いているように、私達の生命活動のエネルギー源はATPです。 もし俺はATPなんか関係ない!ATPなんか要らないと言う人が居たとしたら、その人か…

糖質は細胞内に取り込まなければ利用できません。しかし細胞は細胞膜と言うリン脂質からなる油性の膜に覆われていて、いろんな物質が容易に細胞内に入らない仕組みになっています。私達が生きていく上でなくてはならない糖質でさえ、簡単には移行しません。

その53 ATPと言う高エネルギー物質

前章でもお話ししましたが、私達の体内の細胞の中では絶えず休まず様々な化学反応が起きています。そしてその反応のエネルギーの源となっている物質がATPです。 ATP(アデノシン3リン酸) はアデノシンと言う有機物質にリン酸がくっついた高エネルギー物質です…

その55 ミトコンドリアというスーパー小器官

私達の細胞の中にはミトコンドリアという小器官があります。ミトコンドリアは生命活動になくてはならないATPという高エネルギー物質を作る器官です。 この器官には、電子伝達系という機能を兼ね備えています。 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/電子伝達系 A…

その54 エネルギーの源(ATP)を創るカスケード

前章で私達の体内の細胞の様々な化学反応のエネルギーの源はATP(アデノシン3燐酸)であると言うお話をしましたが、それでは、次にどのようにして私達の身体の中で、ATPを創り出しているのでしょうか?その反応経路(カスケード)について見て行きましょう! ATP…

その52 糖質から生み出されるエネルギーの源 ATPについて

私達の身体は、およそ60兆個とも言われる細胞から構成されています。 細胞は生物の最小単位であり、いろんな臓器の中で、いろんな組織において、いろんな細胞が独自の機能を持っていて、いろんな働きをしています。 細胞は細胞膜によって外界と隔てられたclo…

その51 糖質代謝に関わる臓器

糖代謝に関わっているメイン臓器 今回は皆さんに私達の身体の中で糖質代謝に関わる臓器についてご紹介したいと思います。 ブドウ糖は全身の細胞で使われている栄養素ですが特に下記の臓器が体内な糖質の動態に大きく関わっています。 1. 腸私達は腸から糖質…

その56 ATPの動き

https://www.waseda.jp/top/news/60484 先日、面白い研究の医療記事を見つけましたのでご紹介します。 このレポートは先程来、ご紹介している私達の細胞内で生命活動のエネルギー源となっているATPが細胞内で、どのような動きをしているのか可視化することに…