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腸内細菌と免疫調整

理化学研究所の本田賢也先生の腸内細菌と免疫に関わる研究は非常に興味深く面白い!

https://aitimes.media/?13570

私も何本かネットから資料を読んだが、その要旨は、腸内にいる細菌達が私達の身体の免疫を高めたり、制御したりしていると言う内容と理解している。

簡単に紹介すると、先ず免疫を高める作用に関して言うと、腸の中にいる細菌達が粘膜内にいる攻撃系のリンパ球(CD4陽性ヘルパーT細胞 Th17)を定期的に刺激し、免疫を高め、病原体となる細菌が外界から入ってきた時にそれに対応する準備をしているらしい。実験では研究所の中で飼われた無菌マウス🐀はこの免疫活性が低く、日和見感染になりやすかったとある。

また逆に腸の中にいる別の菌は、私達の免疫が暴走しないように制御している働きもしているようである。

私達の体内では、自分の免疫が暴走しないように、常にその反応を抑える仕組みを持っている。

この役割を果たしているのが、今流行りの制御性T細胞だ。この細胞は、私達の身体の中で、免疫が過剰に起きないように反応経路を制御していると言われている。この制御性T細胞を腸内細菌が程よく刺激しているらしいのである。

ところが先程の無菌マウス🐀は細菌の刺激がないため、この制御性T細胞が少なくアレルギーを起こしやすいと言う実験結果なのである。

免疫は私達が自己を守るための大事な防衛システムである。しかしこのシステムのコントロールが効かなくなると、アレルギーや自己免疫疾患を起こしてトラブルになる。

この論文においては、この微妙かつ大事な免疫調整は実は腸の中の細菌達がしてくれているかもしれないと言うのである。

まだまだその真偽については議論が絶えないかもしれないが、私はかなり一理あると思う。

私達は自分達だけで、自分の調子を整えることはできない。外界からの何かしらの調整が必要だ。

また現代において増加したいろんなアレルギー疾患も実は私の腸内細菌の乱れが原因になっているかもしれない!

改めて考えさせられる研究だと思う。

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