教義7 腸管バリアについて
腸管は外界から体内に食べ物を取り込む大事な通路です。
その中にはたくさんの細菌が暮らしています。
体内は菌がいない無菌の空間です。
もし体内に細菌が巣くい増殖してしまうと炎症反応を起こして、いろんなトラブルを起こしてしまいます。
もし腸管に穴なんか空いてしまった時には、大量の細菌が腹腔に撒かれて、激烈な炎症を起こします。これが腹膜炎です。
これが広範囲に起きると命に関わる重篤な状態に陥ってしまいます。通常、腸管の内腔は粘膜に裏打ちされていて細菌は体内に入ることができません。
腸内細菌は粘膜が作り出す粘液の中に生息していると思われます。
しかし長期間、絶食にすると粘膜が萎縮し、粘液の量も減り、体内に細菌が入りやすくなります。これがbacterial translocationと言う現象です。
高熱が出たり、体内で炎症反応が持続します。
消化器の術後や高齢者の方で嚥下障害のために経口摂取ができなくなってしまったような患者さんなどに見られる病態です。
このように口から食べ物を食べること、腸を通して栄養を取ることが如何に重要であるか!と言うことがよく分かりますよね