その39 糖質4 ブドウ糖の代謝経路
前章でも書きましたが、糖質の中で私達にとって最も中心的な位置に存在しているのがブドウ糖です。
私達人間は全身の細胞においてブドウ糖を最も基本的な生命活動のエネルギー源の基本単位として活用しています。
今回は私たちの細胞が如何にそのブドウ糖をエネルギーとして活用しているのかと言うこと解説していきましょう。ブドウ糖が私達の細胞内に取り込まれると細胞質内においては解糖系という代謝経路で分解されます。この分解される過程においてもエネルギーが産生されます。それから、そこで分解されたピルビン酸という物質がミトコンドリアという小器官に取り込まれ、TCA回路(クエン酸回路)という代謝経路に入り、化学反応にて変換されていきます。
私たちの細胞はブドウ糖を解体し変換していく過程においてATP(アデノシン三リン酸)という高エネルギー物質を創り出しています。私たちの身体の全ての細胞はこのATPと言う高エネルギー物質をあらゆる細胞の生命活動として用いています。
つまり糖質という高エネルギー物質を燃焼させ、また細胞内において別の利用しやすいエネルギー体(ATP)に作り変えて、それを用いていろんな細胞が活動して、生命として機能を果たしているのです
*私達の身体は常に生命活動を維持できるように如何なる状況の時も(満腹の時も空腹の時も)安定したエネルギーの供給源としてブドウ糖の血中濃度をほぼ一定(100mg/dl)に保つ驚異的なメカニズムを持っています
人間が生きていくためには血糖の維持が必要不可欠ですが、もしかするとある意味、私達は無意識無自覚に、このような生命の基本的な反応経路を持続してワークさせるために働き動き続けているのだけなのかもしれません
このように私たちの身体にとってブドウ糖はなくてはならない大事な栄養素です。昨今糖質制限ダイエットなどの話を聞きますが、生体の本質を知らないと、とんでもなく身体を壊す原因にもなりう兼ねないということを留意したいと思います