その50 栄養の大切さ
昔、外科の診療をしていた時、病気や手術のトラブルなどで長期経口摂取ができない患者さんを診ていた時に、栄養が生きる上で何より大切なことを痛感しました。
口から食事ができない時は点滴に頼るしかないのですが、普通の末梢血管から投与する点滴では十分なカロリーや必要量の栄養補給ができません。
それが長期に渡ると栄養状態が悪化し、創傷治癒が遅れたり、免疫抵抗力が下がったりして、身体にいろんな不具合を生じてしまいます。
(状態によっては正に命に関わることに繋がります)
その後、深部の深い静脈にカテーテルを留置して、高い栄養価の点滴をする高カロリー輸液が開発され、その問題も緩和されるようになりました。
また昨今ではやはり腸を使っての栄養補給が大事ということが見直され、術後早めからの経口摂取や腸瘻を使った経腸栄養が勧められるようになって来ています。
こういう医療の歴史やバックグランドからも口から栄養を摂るということが生きていく中で如何に大切な事かと言うことがわかりますね!