その55 ミトコンドリアというスーパー小器官
私達の細胞の中にはミトコンドリアという小器官があります。ミトコンドリアは生命活動になくてはならないATPという高エネルギー物質を作る器官です。
この器官には、電子伝達系という機能を兼ね備えています。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/電子伝達系
ATPを作る際において、クエン酸回路と言う反応系が働くのですが、その回路を廻すために少々エネルギーが必要必要となります。
指図、木を燃やすために、最初マッチで火をつけるようなものでしょうか?
そのミトコンドリア内において反応経路に火をつけるための役割を果たしているのが電子伝達系です。
これはどういうものかと言うと、その原理は水力発電のようなものになっています。
ミトコンドリアは膜の表面のポンプを使ってナトリウムとカリウムの汲み出しを行い、その内外に濃度差を作っています。
そしてまた膜にあるチャネルを開くことで、イオンの流れが生じてエネルギーが発生します。(この原理はダムにおいて水を貯蔵させておいて、そのダムを解放することでタービンを回し、電気を起こす原理に似ています)
そこで発生したエネルギー(NADH)を用いてクエン酸回路が廻り、ATPを効率に産生しているのです。
こう見てみると生命って凄いですよね。
自分で、エネルギーを生み出すことができる環境を作り出し、そこで出たエネルギーを更に物質に変換できるなんて正に神業と言うしかありません。
(体内に自家発電機と蓄電器を兼ね備えているようなものです)
だからこそ、元気に生きるためには、エネルギーが必要だし、それを得るために食べなければならないのだと思います